2005-01-01から1年間の記事一覧

こちら、郵政省特別配達課!(小川一水、ソノラマノベルス)

小川一水の新刊。といっても昔ソノラマ文庫2冊だったものを合わせて1冊の新書版にしたもの。郵政民営化の関係で、再刊されそうな雰囲気があったので、文庫の方は読んでません。 面白い。分かりやすいキャラ、設定、筋書き、ハッピーエンド。パトレイバーとか…

ハイウェイ惑星(石原藤夫、徳間デュアル文庫)

どーやら今後小川一水の本が立て続けに出るらしく、つなぎのためになんとなく書棚から引っ張り出してきました。ドラえもん的な意味も込めてハードSF(すこし不思議)って感じの連作短編集ですね。バカSFのにおいも強めかな(^^;)。 主人公は宇宙探検サラリー…

サンドキングズ(ジョージ・R・R・マーティン、ハヤカワ文庫SF)

うーん、期待が高すぎたかなぁ。表題作以外はあまりのめり込めませんでした。 世界観がよーやく掴めたところで終わりって感じの短編集なので、読み返すとたぶん違う感想が得られると思います。忘れた頃にもう一度読むかも。サンドキングズ (ハヤカワ文庫SF)…

月は無慈悲な夜の女王(ロバート・A・ハインライン、ハヤカワ文庫SF)

巨匠の革命モノSFの代表作。高校時分、最初に読んだときは「いつになったらSFになるんだろう?」とか思いながら読み進めてた記憶があります。そのくらい革命色が濃くて、月の描写とか、自我を持った巨大ネットワークコンピュータ「マイク」の理論的コジツケ…

月世界へ行く(ジュール・ヴェルヌ、創元SF文庫)

下の方の「地軸変更計画」の前作。初版は1964年で、ヴェルヌ歿後100年企画で新版で出たもの。 書かれたのは1869年。とにかく科学的常識の食い違いが凄い。エーテル宇宙論だったり絶対零度の概念すら無かったり。ま、そーゆー突っ込みを楽しむ作品ではないの…

BRAIN VALLEY 下巻(瀬名秀明、新潮文庫)

下記の続き。終盤のイマジネーションがものすごい。ハナ(チンパンジー)燃え。あと、ネタバレですが、脳というコンピュータ上で動く人工生命=神という発想がものすげぇ。 ま、この筋書きにしては人死にが多すぎる感もありますが、大傑作でした。 P257.「…

BRAIN VALLEY 上巻(瀬名秀明、新潮文庫)

この人も引き出し多いなぁ。下巻巻末の参考文献の数ときたら!まぁ、全体的にホラー色が強すぎるのが残念なんですが。 タイトルの通り脳みそ研究がメインです。宇宙人グレイや臨死体験なんかのオカルト方面にも手を伸ばしつつ、こないだ読んだソウヤーの「ネ…

地軸変更計画(ジュール・ヴェルヌ、創元SF文庫)

ヴェルヌ没後100年企画の一冊。 「月世界へ行く」の続編だそうですが、そっちはまだ読んでません。なわけで、解説などで主人公の変節っぷりを説かれてもいまいち実感湧きません。立派なマッドサイエンティスト&マッドエンジニアだなぁと思いながら読んでま…

クリスタルサイレンス(下) (藤崎慎吾、ソノラマ文庫)

下記の続き。 後味悪っ!というのが正直なところですなぁ。「準シュヴァルツシルトスフィア」みたいな字面だけでも燃えるようなガジェット群の渦に巻き込まれて、行き着いた先があれなのかぁ。まぁ、いい意味でも悪い意味でもハードSFの一極端でしょう。 誰…

クリスタルサイレンス(上) (藤崎慎吾、ソノラマ文庫)

「ハイドゥナン」の作者のデビュー長編。 あれもそうだったけど、詰め込み過ぎだろうってなくらいガジェットがあふれてます。 火星北極冠発掘からファーストコンタクトっぽく進めつつ、ちょっと懐かしめのMATRIX系サイバーパンクやサイボーグ兵士によるバイ…

紳士遊戯(赤城毅、光文社文庫)

赤城毅お得意の昭和初期の東京を舞台にした、勧善懲悪ペテン師もの。新書から文庫になったので、続編の「贋作遊戯」もそのうち出るものと思います。新書買わなくてよかった(^^;)。 解説にもあるとおり、るぅがツンデレ美少女趣味全開で、実に潔い(^^;)。紳士…

遠き雪嶺(下) (谷甲州、角川文庫)

下記の続き。 上巻の序章がいきなり撤退の場面から始まってるので、ああーこんなに努力してるのになぁ。でも谷甲州のことだから負け戦でもきちんと負けっぷりを描くんだろうなぁ。・・・と思いながら読み進めるわけです。ま、あとは読んでのお楽しみ。 谷甲…

遠き雪嶺(上) (谷甲州、角川文庫)

角川文庫なんて読むのは何年ぶりだろう。 谷甲州の山岳小説。たぶん史実に基づく昭和初期の立教大学山岳部のヒマラヤ挑戦を描きます。上巻の途中ですが、今のところ神様とか暴力とかハッキング(^^;)とかの描写がないので、違和感を感じながら読み進めていま…

ハイブリッド―新種―(ロバート・J・ソウヤー、ハヤカワ文庫SF)

ネアンデルタール・パララックスの3。完結篇。 人類の脳と宗教の話の比重が高いのと、ご都合主義すぎて、前作ほどの面白さはありませんが、一段落つきましたね。ガニメアンものを久々に読んだ気分(^^;)。ハイブリッド―新種 (ハヤカワ文庫SF)作者: ロバート…

太陽レンズの彼方へ(チャールズ・シェフィールド、創元SF文庫)

ブログに移行しての、初投稿。勝手がだいぶ違います。 えらく昔に読んで、大変面白かった「マッカンドルー航宙記」の続編。宇宙ハードSFの大傑作でした。前作の内容はほとんど忘れてますが、今頃続編が出るとはまさか思いもしませんで。 10月末はとりあえ…

竜とわれらの時代(川端裕人、徳間文庫)

川端裕人はすごいです。面白いです。熱いです(これ重要)。北陸での巨大恐竜の発掘と研究をメインストーリーに、原子力とか宗教とかテロとか田舎の村おこしとかを絡めて、ミステリっぽいホームドラマ(^^;)に仕上げてあります。先端技術や科学情報の噛み砕き方…

ここほれONE-ONE!2(小川一水、集英社スーパーダッシュ文庫)

下記の続き。終盤のカタストロフがなかなか緻密です。日本沈没をSFにしてラノベにして2002年に書くとこうなるって感じ。今時の若い読者は幸せ者だなぁ。次は「竜とわれらの時代」の予定。掘る話が続きますな。ここほれ ONE-ONE! 2 (ここほれ ONE-ONE! シリー…

ここほれONE-ONE!(小川一水、集英社スーパーダッシュ文庫)

新幹線の復路用にヨドバシアキバの有隣堂で購入。2001年10月の初版本。東北の仮想県で宝探しをやる宇宙人の話。ここほれ ONE-ONE! (ここほれ ONE-ONE! シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)作者: 小川一水,高木章次出版社/メーカー: 集英社発売日: 2001/10/25メ…

ハル(瀬名秀明、文春文庫)

ヒューマノイドロボットをめぐる5つの中篇連作。つか、鉄腕アトムアンソロジーみたいな。「亜希への扉」が、タイトルからしていろいろとSF者には面白いですな。ハル (文春文庫)作者: 瀬名秀明出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/10/07メディア: 文庫購入…

疾走!千マイル急行(下) (小川一水、ソノラマ文庫)

武装独立国家としての大陸横断鉄道ってのは「沈黙の艦隊」的でなかなか面白い。主役の少年少女4人よりも脇の大人たちの方がキャラが立ってるのも、なんかいい塩梅。ただ、世界がなぁ。地球で、日本で、ユーラシアで、1次大戦でいいじゃないかよー、と思いま…

フューチャーメン暗殺計画/危機を呼ぶ赤い太陽(エドモンド・ハミルトン、創元SF文庫)

キャプテンフューチャー全集の9。もう終盤ですね。両方ともカーティスが悪漢に変装して潜入する話なので、途中でどっちを読んでたのか分からなくなりました(^^;)。" title="フューチャーメン暗殺計画/危機を呼ぶ赤い太陽 ">フューチャーメン暗殺計画/危機を…

ジャンキー・ジャンクション(谷甲州、ハヤカワ文庫JA)

谷甲州の山岳冒険小説。登山なんてさっぱり分かりませんが、谷甲州の山小説だけは一通り読んでいたりします。幻覚な感じがジャンキーたる所以でしょうが、「天を越える旅人」ほど宗教くさくはなかったですね。ジャンキー・ジャンクション (ハヤカワ文庫 JA)…

ヒューマン―人類―(ロバート・J・ソウヤー、ハヤカワ文庫SF)

ネアンデルタール・パララックスの2。P267。アメリカ大統領は開戦宣言をベトナム戦死者慰霊碑の前であげよ、というネアンデルタールの台詞が良かったですね。この台詞だけでも読む価値のあるシリーズなのではないかと。もうじき最終巻が出る、ハズ。ヒュー…

鉤爪の収穫(エリック・ガルシア、ヴィレッジブックス)

恐竜ハードボイルドの3作目。大好きです、このシリーズは。1作目で「ガビーン!」って言葉があって、これはほんとに翻訳本なのかと思いました。酒井昭伸は神だなぁ。何を訳したら「がびーん!」になるのか(^^;)と。今回はゴッドファーザーみたいな、恐竜マフ…

猫子爵冒険譚 復讐する化石(赤城毅、祥伝社NON・NOVEL)

ぶっちゃけ、ちゃんと続編が出るとは思っていなかったシリーズ(^^;)の2巻目。「鉤爪」の3巻が出てたので、どっちにしようかと思いましたが、ひとまずこっち。ところがこっちも恐竜ネタでした。復讐する化石―猫子爵冒険譚 (ノン・ノベル―猫子爵冒険譚)作者: …

ハイドゥナン(下) (藤崎慎吾、ハヤカワSFシリーズJコレクション)

いやー、凄いボリュームのハードSFでした。科学と呪術、自然と生命、海底と宇宙・・・といった取り合わせで、途中から脳内イメージは星野之宣の絵になってました。ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)作者: 藤崎慎吾出版社/メーカー: 早川書…

ハイドゥナン(上) (藤崎慎吾、ハヤカワSFシリーズJコレクション)

タイトルは南与那国の意。半分くらい読んだ感じ、オビの惹句のとおり、小松左京を髣髴させます。というか「日本沈没」に言及したメタっぽい台詞がありました(^^;)。他にも「ミナミノミナミノ」「群青神殿」「ソリトンの悪魔」あたりを思い起こさせます。エウ…

老ヴォールの惑星(小川一水、ハヤカワ文庫JA)

中篇4作品。解説のとおり、摩訶不思議で力強い「ヒトとしての生存」の話。先ごろ読んだ谷甲州の「星空の二人」に読後感がよく似てます。「幸せになる箱庭」。よくあるテーマだけど、最終的に仮想現実のほうを選んでしまうというのは目から鱗です。老ヴォール…

亡国のイージス(下) (福井晴敏、講談社文庫)

ジョンヒの存在って小説では重要だったんだなぁと。映画で、中途半端に出すくらいなら完全削除でもよかったような気がします。あと、死者の扱いが圧倒的に重いのが、いいですねぇ。亡国のイージス 下(講談社文庫)作者: 福井晴敏出版社/メーカー: 講談社発売…

亡国のイージス(上) (福井晴敏、講談社文庫)

読むのは2回目。映画を観て読み直そうと思いました。やっぱビジュアルイメージがあると、さくさく読めますね。でも、真田広之の先任伍長はスマートすぎ。福井晴敏は先日のBS2「まるごとガンダム」でもコメントしてましたが、やはり同世代的(ガンオタ的?)…