BRAIN VALLEY 上巻(瀬名秀明、新潮文庫)

この人も引き出し多いなぁ。下巻巻末の参考文献の数ときたら!まぁ、全体的にホラー色が強すぎるのが残念なんですが。
タイトルの通り脳みそ研究がメインです。宇宙人グレイや臨死体験なんかのオカルト方面にも手を伸ばしつつ、こないだ読んだソウヤーの「ネアンデルタール・パララックス」でも出てきた磁気電気的な脳みその刺激と幻覚とか。BRAIN VALLEYは1997年に書かれたそうで、もっと早めに読んどけば、ソウヤーの読み方も違ってたかもなぁ、とか思いました。
ついでに。
瀬名秀明氏の小説をまともに読んだのは「ダイヤモンド・シーカーズ」が初めてだったのですが、まだ単行本化されてない様子。ダイヤモンドボール半導体を軸に、無線ネットワークによるユビキタス情報社会、マイクロマシンロボットおよび自律分散型制御、犬(!)との感覚共有といったところが柱。これもホラー色が強かった。
これは宮城県の県紙、河北新報の連載小説で、「こんなサイバーパンクが毎日読めるとは宮城県民恐るべし」と、当時赴任して間もなかった私は思ったのでした。

BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)

BRAIN VALLEY〈上〉 (新潮文庫)