今ここにいるぼくらは(川端裕人、集英社文庫)

なんともいわく言い難い小説です。少年の成長譚?でもないよなぁ。
昭和の新興住宅地を舞台に小学生の・・・夏休み日記?みたいな。小学生の親が、子供の言う「今日あったすごいこと」をそのまま書き留めたような。子どもの頃に見た風景も重ねつつ、いたいたこんな奴、あったあった、いやねーよ、とか。
ほのぼの?よりはざわざわ感の方が強いかな。「川の名前」よりは「せちやん」に近い。表面よりもちょっと深いところを触る/くすぐる感じ。
連作短編7本。

  • ムルチと、川を遡る ・・・新マンの怪獣です。
  • サンペイ君、夢を語る ・・・釣りキチです。
  • オオカミ山、死を食べる虫をみる ・・・スタンドバイミーです。クワガタは今は触れないなー。
  • 川に浮かぶ、星空に口笛を吹く ・・・ラーメン大好き小池さん。
  • 影法師の長さが、すこし違う ・・・引越し直後の疎外感。
  • 山田さん、タイガー通りを行く ・・・第二次性徴(^^;)。
  • 王子様が還り、自由の旗を掲げる

今ここにいるぼくらは (集英社文庫)

今ここにいるぼくらは (集英社文庫)