超弦領域(大森望・日下三蔵 編、創元SF文庫)

08年の年刊日本SF傑作選。短編15本。

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

超弦領域 年刊日本SF傑作選 (創元SF文庫)

以下ねたばれ。順不同。

  • ノックス・マシン(法月綸太郎) ・・・ノックスの十戒を下敷きにした数学的なノックス場を説明するウソ科学(10次元複素数場とかいう字面だけで燃える^^;)が、往年のホーガンっぽいワクワクな感じ。タイムパラドックスのオチはある程度読めましたが、パズルのピースがはまり込んでいく過程が気持ちいい。すげー。
  • 全てはマグロのためだった(Boichi) ・・・単行本「HOTEL」でも面白かったなーと。絵に妙な説得力あるし。末尾の「著者のことば」がSF愛に満ち満ちていて、この作家は信頼していいなーと思えました。
  • 時空争奪(小林泰三) ・・・単行本で読んだことあるな。もうちょっとグロ分を抑えてほしいところ。
  • アキバ忍法帖倉田英之) ・・・脚本家だと思ってたら、小説も書くのかー。ダガーナイフ事件以前の秋葉原の混沌を舞台に、なんで忍法合戦やってるんだ(^^;)。機動巌陀無の忍術を見てみたかった。旗姫の脳内CVは釘宮か戸松か。
  • 青い星まで飛んでいけ(小川一水) ・・・これ目当てでこの本を買いました。クラーク追悼作で、時間とか距離のスケールがアホみたいにでかい。意識が戻ったら8000年経っていたとか。うーん、あんま主人公に肩入れできなかったなー。忘れた頃にもう一度読もう。
  • From the Nothing,With Love.(伊藤計劃) ・・・そうかー、「著者のことば」がないんだよなー。合掌。007ネタらしいですが、あんまりよく観てないので分からないところ多し。MGS臭は感じましたが。脳と意識のアイデンティティSFで、イーガンの「万物理論」の後半が読み易くなった・・・というか難しいは難しいながらも、感情移入はできる感じ(^^;)。あとでもう一回読む。
  • ムーンシャイン(円城塔) ・・・3章の数学の歴史解説と数字の共感覚って部分以外はよく分かりませんでした。脳味噌ぐらぐらで楽しい。