天冥の標III アウレーリア一統(小川一水、ハヤカワ文庫JA)

書店でこの本の横に並んでたのが「プロテウス・オペレーション」の新装版でした。そのジェイムズ・P・ホーガンが亡くなったそうです。合掌。「黎明の星」は未完?なのかな。
シュタインズ・ゲート関連で「未来からのホットライン」が復刊されないかなぁと期待してたのですが、これを機に復刊を希望。最高の海外SF作家だと思うので、再評価されて欲しいです。

さて。
前巻からわずか半年でこの厚みの続刊が出るって、すごいねぇ。<アンチョークス>は酸素要らず(AntiOxigen)だったのか。Unchokes(窒息しない人?)かなとか想像してた。
今度は24世紀、小惑星帯を中心とした太陽系内スペオペでアクリラのご先祖様とアイザワチカヤの末裔が出会う・・・ようです。ボーイ・ミーツ・ガール?

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)

天冥の標 3 アウレーリア一統 (ハヤカワ文庫 JA)

以下ねたばれ?
冒頭、木星大赤斑で8500年前に作られたOTIの遺跡を調査。7つの単位系ってのは7種族と合致する?
序盤でさっそくメイドロボのカヨが登場。アダムズはアクリラそのままのイメージでよさそう。
中盤、コダマの末裔と思しい<医師団>のセアキ・ジュノおよびAI状態のフェオドールも登場。<救星群>のグレア・アイザワとも遭遇して役者が揃ってきましたか。海賊退治がキーになってきてますが、たぶんそれだけでは終わらないでしょう。セナーセー衛星基地とかドロテア忘却炉ってのはメニーメニーシープの原型なんじゃなかろうか?
・・・終盤。
アダムズが老女を追い回すという「うる星やつら」ばりの鬼ごっこで、和む。FSSっぽい。アーヴっぽくもある。あと、宇宙戦艦エスレルはリープタイプっぽい脳内イメージですが、たぶん違いますね(^^;)。表紙絵が改装後のエスレルなんじゃないかと思いますが、できれば図解が欲しいところ。
海賊の頭目のイシスは、やけにあっさり死んだと思ったら次のイシスが登場。このしつこさは、なんとなく続刊にも出てきそうな気配。
・・・読了。
断章四が面白すぎる(^^;)。
終章ではグレアの暴走とかフェオドールロボの大活躍とかセアキの正体とか、一気に畳み掛けられて大変でした。ああ面白い。ミステリとしても一級品なんじゃないでしょうか。
難を言えば、2巻では精神的にぎりぎりと締め付けられるような感情移入がありましたが、今巻はさほどでもなかった。清く正しく、突っ走る成長譚。
次巻は<ラヴァーズ>の出自かな。人造人間の葛藤をガチガチに描き込んで頂きたい。そういえば「アンドロイドと電気羊?」の物語でもありますな、これ。