フランケンシュタイン(メアリ・シェリー、創元推理文庫)

下記の流れで、こんな機会でもなければ読まないだろうと思ったので古典に手を出してみます。他に読みやすい翻訳もあるとは思いますが、ついつい創元文庫で(^^;)。
閑話。
記憶にあったフランケンシュタインのアニメは「恐怖伝説 怪奇!フランケンシュタイン」(1981年)というもののよう。これは泣いた。怖くてじゃなく、悲しくて。少女と交感し、花を愛でる心優しき人造人間が最後に村人から射殺されて崖から落ちてくラストシーンがトラウマになってます。花が散ってキレイでなぁ。思い出補正がかなりかかってると思いますが、あー、もう一度観てみたい。
さて序盤。
書かれたのが1831年。日本ではまだ幕末ですよ(^^;)。
舞台はさらに遡って18世紀末スイス。天才青年科学者ヴィクター・フランケンシュタイン自身が半生を語るという構成なんですね。まだ怖くない。悲しくもない。

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

フランケンシュタイン (創元推理文庫 (532‐1))

中盤。詩的で美文で。こりゃ文学だわ、文芸だわ。
読了。
人造人間モチーフでやるべきことのほとんどはこれに書かれてる気がしますね。まぁ突っ込みどころも多いので、アトムやキカイダーローゼンメイデン鋼の錬金術師といった後継者も続々出てきたってことなんでしょう。やっぱ古典もたまには大事ですね。
以下ねたばれ。
中盤で人造人間自身が身の上を語りだします。
人類社会についての基礎知識が「失楽園」だ「プルタルコス英雄伝」だわ「若きウェルテルの悩み」って(^^;)。インテリだわ。
あと、フランケンシュタインも人造人間も感情起伏が激し過ぎ。ヤンデレ?みたいな。