復活の日(小松左京、ハルキ文庫)

小松左京の俺ベスト。
1964年に書かれ、当時近未来だった1969年人類滅亡をこと細かに描いていきます。まだ産まれてもいませんが、わたし(^^;)。
「ポックリかぜ」ってネーミングがあまりにもそれっぽくてインパクトあります。これ読んでると誰かのくしゃみがやたら気になったりするという(^^;)。
・・・読了!何度読んでもやっぱり素晴らしいい!
当時最新の科学・社会情勢をこれでもかこれでもかと盛り込んでいきます。細菌兵器および防疫、米ソ冷戦世界の核軍備、地震カニズム、南極開発などなど。これ書いたとき小松御大33歳ですよ。どんなけ知的巨人ですかこの人は。
それでいて新聞報道の描写など日本人の日常感覚からは決して外れない。恐怖と絶望を共有できるから、最後の皮肉なカタルシスまでもが堪えます。
初読時には実存哲学?へのこだわりがよく判らんかったのですが、他の著作や自伝を読んだ今となってはP309からの「人類文明史・最後の講義」がキモだなぁと感じ入りました。意味は半分も理解できませんけど(^^;)。

復活の日 (ハルキ文庫)

復活の日 (ハルキ文庫)