妙なる技の乙女たち(小川一水、ポプラ社)

小川一水の新刊。ハードカバーだったら手が出ないなーと思ってたら、ソフトカバーでひと安心しました。
軌道エレベーターが完成した近未来。赤道直下の新興宇宙産業集積地で働く20代〜30代前半の女性の姿を描く連作短編7本。ガテン系SFを描かせたら天下一品ですね、この人は。

  • 天上のデザイナー
  • 港のタクシー艇長
  • 楽園の島、売ります

・・・中盤。
ここまでの感じ、なんか背景に丁寧な取材と膨大な設定資料がありそうな気がするんですけど。物語はほんの氷山の一角でしかなくて。設定おたくとしてはその辺突っ込んで欲しいような、でもこの作品群の持ち味はそこにはないな、という気もします。設定を妄想するのもまたユーザーの楽しみということで、これでいいのだ。

  • セハット・デイケア保育日誌
  • Lift Me to the Moon
  • あなたに捧げる、この腕を
  • the Lifestyles Of Human-beings At Space

・・・読了!いい読書でした。
働く女性は冴えてますね。おっさん連中も概ねいい感じ。
ゆったりした流れのようで、終盤には実は数十年が経ってます。あの人やこの人がこんなかたちでつながってくるとは。2周目いってみよう。
あと、あちこちで指摘されている「水惑星年代記」って漫画を読みたくなりました。

妙なる技の乙女たち

妙なる技の乙女たち