パンドラ 4(谷甲州、ハヤカワ文庫JA)

最終巻。先に解説を読んだところ、2〜3巻のもたつき加減は主人公が感じたのと同じ徒労感を読者とも共有しようというありがた迷惑な(^^;)意図的なもののようです。
・・・序盤。
いよいよ地球を離れイスカンダル(違)へはるばる望む宇宙戦艦きりしま。とはいえ脳内ヴィジュアルではISSが航宙してるイメージですが。
地球との情報断絶(通信タイムラグ)や機長以下5人のクルーの指示・命令系統などを見た感じ、一連の潜水艦もの映画/漫画/小説などを髣髴させます。航空宇宙軍シリーズとも共通しますが、いい緊迫感です。
・・・中盤。
お家芸ともいえる、地味で熱い宇宙爆雷戦をピークに、再びバイオホラーっぽくなってきました。あれだ、彗星探査とエイリアンってのは「ジーザス」(エニックス)だ。・・・古い・・・orz。

パンドラ4 (ハヤカワ文庫JA)

パンドラ4 (ハヤカワ文庫JA)

・・・読了。以下ねたばれ。
結局すれ違い。ファーストコンタクトとしてはクラーク的で野尻抱介的で、でもなんか違う。将来にあんまり希望がなさそう・・・って感じの読後感なんですよね。「パンドラ」そのものにはまだ希望があるけど、地球はそれを見過ごした、と。
ただパンドラの示した妥協案てのもあんまぞっとするものではなかったですけど(^^;)。
あー。えーと。
全体的には悪口も多いですが(^^;)、社会派大長編ハードSFとしては満足なデキです。