バビロニア・ウェーブ(堀晃、創元SF文庫)

野尻抱介氏絶賛のハードSF。書かれたのが1988年だそうなので、古典というほど古くもないんですな。読み始めの感じ、巨大構造物な人には堪らんでしょうねぇ。
タイトルが必殺技の名前っぽいので、檜山修之の幻聴が聞こえます。どーでもいいですけど。
…中盤。
地球から3光日離れた秘密基地に、それぞれ全然違う目的で集まったらしい5〜6人ほどの科学者グループってのは、仕掛けがやたら巨大ですが、こりゃ密室殺人ミステリですな。バビロニア・ウェーブの正体自体の謎解きもあるようですし、2周読んだら感想も違ってくる予感。

バビロニア・ウェーブ

バビロニア・ウェーブ

・・・読了。
文章の生硬さやキャラ、誤植(^^;)など弱いところもいくつか感じましたが、とくに終盤、素晴らしいセンスオブワンダーにあふれたSFでした。以下ねたばれ。
バビロニア・ウェーブの正体探しの推理の中で、生命体説がでたあたりでは梅原克文の「ソリトンの悪魔」を思い出したり、全銀河を網羅しているネットワークというくだりでは航空宇宙軍史の超光速シャフトやマップスの銀河砲なんぞを思い出したり。