青鱗館の恐怖 帝都探偵物語(赤城毅、光文社カッパノベルス)

「くだんのはは」の前に読んでたけど書き忘れてました。妖怪モノです。「木乃伊」の文庫落ちまでが長かったので、ノベルズ版で読んでしまいました。
内容自体はいつもどおりですが、タイトルについて一言。
「ハエ男の恐怖」という映画の邦題は秀逸だなぁと折に触れて思うのですが、これは「の」が所有格なんじゃないかと。あの映画でハエ男はどのキャラクターにも恐怖されておらず、彼がハエ男だということじたい最後になるまで誰も知りません。誰よりも恐怖しているのは、自らが狂気に犯されていくのを自覚しているハエ男自身である。という意味において「ハエ男の恐怖」というタイトルが良く出来てると思うわけです。
だからなんだと言われてもしょうもないですけど。

青鱗館の恐怖  帝都探偵物語 (カッパ・ノベルス)

青鱗館の恐怖 帝都探偵物語 (カッパ・ノベルス)