ひとりっ子(グレッグ・イーガン、ハヤカワ文庫SF)

2006年も押し迫ってあと10日ほど。あぁ忙しい、という時ってかえって現実逃避をしたくなるもので。
難解だけに何回か読み返すのが常のイーガンの新刊(短編集)ですので、たぶん読了する頃には年を越してるでしょう。良いお年を。
・・・最初の2編読んだ感じでは、案外難しくない?かも?

  • ルミナス・・・アシモフの「神々自身」で、物理法則の異なる宇宙とのファーストコンタクト、物理法則的な侵略というセンスオブワンダーにクラクラしたのを思い出しました。我々の宇宙は数学の異なる世界と実はつながっていたんだよ!な、なんだってー!って感じ。長編にしたらえらいところへ連れてってくれそうです。
  • 決断者・・・あー、やっぱ難しいや、2周読もう。自分の脳内シナプスの発火を自分で視るってのは、うむー、当方のイメージ能力の限界を感じますな。

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

ひとりっ子 (ハヤカワ文庫SF)

以下ねたばれ。

  • ラクル・・・チューリングみたいなことゆうとるなと思ってたら、解説読んだらその通りでした(^^;)。わーい。C.S.ルイスはわかんなかったですが。アンドロイドとか多世界解釈とタイムトラベルとか結構SFガジェットが多いのと神学・哲学的なところもあったりと、この短さの中に盛り沢山で眩惑的ですが、やっぱりアイデンティティに持ってくところがイーガンクオリティだなぁ。
  • ひとりっ子・・・ジェル幕状の放射能回収装置とか、やっぱりガジェットも多いのですが、2周目、落としどころが判ってればさくさくと読み進められます。うーん、自由意志って量子論的な分岐に影響するんですかねぇ?文中でいう「不可知論」なのか、あたしゃ全然感情移入できませんでしたが。