廃園の天使I グラン・ヴァカンス(飛浩隆、ハヤカワ文庫JA)

イーガン的な電脳空間を舞台にした、AIたちと侵略者とのサイバーバトル。
だと最初は思ったんです。風景も語り口も美しいし、アクションも豊富だしキャラも立ってるし、脳内画像はジブリ系で読み進めてたわけです。
が、中盤で侵略者側が再侵攻を始めたあたりからグロさがもたげてきて、またこの表現が耽美で倒錯的で上手いんだ。痛い痛い。隠されてた黒い面がどんどん表に出てきます。このへんから、脳内画像は一気に漫画「ベルセルク」に移行。この落差で「ああ、そういえばこういう作家だった」と思い出しました。味が濃ゆくて、もうちょっとグロさは控えめなのが好みです。
あああ、批判ばっかりですが、名作です、念の為。間違いない。
とりあえず読了しましたが、もうじき2巻がJコレクションで出るそうですので、もう一回読んでおこうと思っております。

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)

グラン・ヴァカンス―廃園の天使〈1〉 (ハヤカワ文庫JA)