日本沈没 第二部(小松左京+谷甲州、小学館)

映画観てきました!凄いです!富野由悠季によく似た坊さんが出てるなと思ったら本人でした!や、そこはどーでもいいですか。とりあえずスクリーンで観とけって感じです。
パンフにも書いてありましたが「さよならジュピター」だと思ってた方がいいのかも。あとN2爆弾最強!あの手のハッタリ大好きです!
ということで、文庫落ちを待ってもいられないなとハードカバー買ってきました。しばらくこれ仕事中に持ち歩くのか・・・。
まだ序盤ですが、変に小松御大を意識することなく甲州節の乾いた短文を淡々と重ねる文体で、だがそこがいい。
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第2章「彷徨える日本人」・・・小松節というか、幅広い分野からいかにもって感じで「国際社会における日本人」をあぶりだしていきます。さも美味そうに日本食に舌鼓を打つ描写あたりは谷甲州にしては新境地かも。なんとなく、生きるか死ぬかの瀬戸際でツァンパ(麦焦がし)を喰ってばっかりの印象しかないもので。
第3章「日本海」・・・人工構造物を領土に見立てるってのは「沈黙の艦隊」っぽい。「首都消失」ならぬ「首都創出」ですな。でもなー。やっぱ自然や建物あっての「日本」だと思うんですよねー。その辺もあとで描写されるかな?
第5章「地球シミュレータ」・・・日本列島沈没の地理的・気象的な影響から、北朝鮮竹島問題や中国の「反日」あたりをとりあげていきます。今日的な問題も忘れない。そーいえば北方領土は沈んだんですかねぇ? 後の章に出てきますが、気象予測ってのは食糧確保なんかも含めた戦略兵器になりうるんですなぁ。
第7章「流氷の海」・・・ナショナリズムの中田首相vsコスモポリタニズムの鳥飼外相。個人的にはここのやり取りがこの重厚長大な小説のテーマだと感じました。この作品は小松左京を中心としたチームで作られたそうですが、たぶんその討議中にも同じような議論が戦わされたのではないかと妄想してみる。
終章「竜の飛翔」・・・終盤まで急展開が続くので、「第3部に続くのか?」とか思ってたんですが、一応終了します。続きはなんぼでも書けそうな気がしますが、ここ以降は「日本沈没」でなくてもいい領域ですな。
ラストの合唱シーンは「終戦のローレライ」を思い出します。ううっ、涙腺にくるなぁ。
・・・というわけで読了。あー面白かった&重かった。

日本沈没 第二部

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