動物園にできること(川端裕人、文春文庫)

ノンフィクション2連荘。アメリカの動物園についての綿密なルポルタージュと日本の当時の現状、および文庫化にあたってアップデートも。前に読んだ「クジラを捕って考えた」と同様、疑問はぶら下げっぱなしというスタンスですが、試行錯誤の過程を丹念に描き、あえて結論を急がない、そこが良い。
自分を省みると、大学時代は多摩動物公園駅で通ってましたが、全然行かなかったし。水族館はちょくちょく行きますが、動物園はとんとご無沙汰です。
あとは、「カリフォルニアコンドルは野生復帰の夢を見るか」という章があったり、かわいそうなしろくまさん(ホッキョクグマ)を「水陸両用寒冷地仕様の捕食獣」と表現したり。いろいろといいツボを心得てるなぁ、と。

動物園にできること (文春文庫)

動物園にできること (文春文庫)