捨て童子・松平忠輝 上(隆慶一郎、講談社文庫)

伊達政宗の娘婿の話。独眼竜政宗では真田広之が演じてました。
しかし、読み始めたら脳内イメージはすっかり原哲夫のキャラでした。豪快と侠気を至上とする隆慶一郎の筆致と合うんでしょうなぁ。
上巻では政宗、ルイス・ソテロ、五郎八姫あたりが出てきました。まだ支倉常長は出てきませんが、原哲夫の絵で出てくるんでしょうか。

捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)

捨て童子・松平忠輝(上) (講談社文庫)

奥羽の二人(松本清張、講談社文庫)

初めてかもしれない松本清張。歴史短編集。
「奥羽の二人」では伊達政宗蒲生氏郷の確執を描きます。「鶺鴒の花押」で有名な奥州仕置・葛西大崎一揆の顛末がメイン。
昭和29年に書かれたもので、山岡荘八司馬遼太郎あたりよりずっと古い。
あと東北勢では最上義光の「武将不信」。駒姫や義康など実の子を死に追いやっていかざるを得なかった苦悩が痛ましいです。

奥羽の二人 (講談社文庫)

奥羽の二人 (講談社文庫)

サテライト‥オペレーション(小松左京、集英社文庫)

宇宙SFがメイン。
「飢えた宇宙」「女か怪物か」「会合-月の誕生-」「割れた鏡-月の死-」が面白かった。
「宇宙を見ろ、アキオ。ほとんど夜ばかりだ。時間も、闇も、虚無も、ほとんど無限だ。宇宙は人間よりも、はるかに妖怪に適しているんだ」(飢えた宇宙)
アウストラロピテクスは月を見て何を感じたろう?ピテカントロプスは月に向かって歌ったろうか?ネアンデルタール人は月のことを何だと思ったろう?」(会合-月の誕生-)

サテライト・オペレーション (集英社文庫)

サテライト・オペレーション (集英社文庫)

闇の中の子供(小松左京、新潮文庫)

全体的にはホラー寄りの短編が多いかな。
行政サービスの価格破壊を図る「第二日本国誕生」が面白い。つか電力会社すら選べないのは問題だよね。
「恋と幽霊と夢」は生贄砲を思い出しました。生命の断末魔の瞬間にいろいろとエネルギーがほとばしるという。
「闇の中の子供」では「火垂るの墓」や伽羅先代萩がちょっと出てきました。

闇の中の子供 (新潮文庫 こ 8-4)

闇の中の子供 (新潮文庫 こ 8-4)

戦争はなかった(小松左京、新潮文庫)

田舎生活を戦後のノウハウで楽しもうという「木静かならんと欲すれど・・・」が面白い。
「戦争はなかった」も面白い。太平洋戦争敗戦抜きで、今の民主日本がありうるのか、という思考実験。
「四月の十四日間 または-日米もし"再び”戦わば」も面白い。とっちらかってはいるものの、「戦争の平和利用」という思考実験。

戦争はなかった (新潮文庫 こ 8-3)

戦争はなかった (新潮文庫 こ 8-3)

小松左京のSFセミナー(小松左京、集英社文庫)

昭和57年発行の古本。さすがに古い。
小松左京ほどの人がガンダムイデオンの可能性に気づいていなかったのかと、それが意外。

燃えよ剣(司馬遼太郎、新潮文庫)

大河ドラマ新選組!」の効果ってすげぇな、と。役者の顔が割とすんなり出てきます。
でも松平容保徳川慶喜は「八重の桜」で上書きされてました(^^;)。

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)

燃えよ剣(上) (新潮文庫)