復活の地I(小川一水、ハヤカワ文庫JA)

震災から10日経過。仙台でも商店が営業し始めて復旧も諸についた感があります。本屋も開いたけど、まだ新刊は入荷してません。
テレビはいけませんね。あんなドラマ仕立てでBGMとか流されたんでは「事実を元にしたフィクションです」って字幕を入れるべき。
こうゆうときはまるっきりのフィクションのほうがよっぽど役に立ちます。というわけで災害復興SFの大傑作を再読中。日本沈没小松左京)でも良かったのですが。
P125より
セイオは知っていた。崩れかかった瓦礫に頭を突っ込んでいるときに外野の命令を聞いている余裕などない。外野こそこちらに従ってくれ、現場の指示を聞いてくれ、と救助隊員が思っているであろうことを。後方がするべきことは命令ではなく服従なのだ。それこそが後方の存在意義なのだ。
P165
医師は乱れる心に思う。おれが逃げれば確実に人が死ぬ。おれを頼ってくる人間が、何人も。それを助けるのが医師の義務だろう。しかし一方でおれの家族も似たような目にあっているかもしれない。それを助けに行くのは、医師としての務めには反するかもしれないが、人間としてはどうだ?

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)