量子回廊(大森望・日下三蔵編、創元SF文庫)

年刊日本SF傑作選の第3弾で09年版。
谷甲州円城塔以外に引かれる名前もないのですが、念の為手を出しておく。

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

量子回廊 (年刊日本SF傑作選) (創元SF文庫)

以下ねたばれ順不同。

  • 星魂転生(谷甲州) ・・・壮大だ。1万年(もっとか)かけて宇宙狙撃艦隊に乾坤一擲。でも20ページ足らず。乾いた短文を連ねる甲州節が相変わらずで安心。
  • バナナ剥きには最適の日々(円城塔) ・・・前半は宇宙探査機の人工頭脳の無聊。バナナ星人の3枚剥き・4枚剥きの話は面白かった。後半に出てきたチャッキーって結局なんだったんだ。
  • For a breath I tarry(瀬名秀明
  • 無限登山(八木ナガハル) ・・・漫画。これはいい。無限と不条理ギャグ?は相性が良い気がする。
  • 日下兄妹(市川春子) ・・・もう一本漫画。ヒナが健気でよいです。
  • 雨ふりマージ(新城カズマ) ・・・トゥルーマン・ショーになってしまった少年?の謎の感動物語。タグ多すぎ。AiAi傘、こういうARなら欲しいです。前半の架空人の技術論・法律論のほうが面白かった。例の非実在青少年論議も、キャラクターに人権を認めようという画期的な法律だったんかな、とか思った(違います)。
  • あがり(松崎有理) ・・・創元SF短編賞だかの第1回受賞作。同い年の作家さんで、作品中にも仙台一番町界隈の描写があって、折しも仙台七夕の会期ということもあって妙な縁を感じたり。作品自体も面白い。ブラッドミュージック系?
  • 夜なのに(田中哲弥) ・・・山本老人のキャラは笑えた。
  • 心の闇(綾辻行人

・・・読了。
分からなくて面白くもない(ワクワク感とか熱とかそうだったのか!とかがない)ってのをいくつか読まされたので、円城塔の「分からんのが面白い」ってのはまだマシだったんだなぁと感じました。