未来からのホットライン(ジェイムズ・P・ホーガン、創元推理文庫)

ホーガン追悼で再読。小隅黎追悼でもあるのか。シュタインズ・ゲートつながりでもあり。
序盤。
舞台は刊行当時近未来の2010年、スコットランドの古城でのタイムマシン実験からスタートし、いきなり素粒子物理学(^^;)。これは敷居が高い。
最初は6文字の短文情報を60秒前に送れるだけ。うーん、Dメール(^^;)。P98に説明図があり、これはアトラクターフィールド理論というよりは、塵理論(イーガン)とか時間衝突(ベスターだっけ?)と似た感じ。
・・・中盤。
LHC(違う)の見学描写も、敷居が高いなぁ。

以下ねたばれ。
送信実験がうまくいかなくなりました。42インチブラウン管を点けるんだな。
主人公のマードック・ロスが恋人に会いたいがためにDメールで意図的な世界改変もやっちまいました。リーディング・シュタイナー持ちは居ない・・・ハズ。
この恋人との出会いでマックスウェルという猫が活躍します。ああ・・・オチをちょっと思い出しました。
で、ほぼ同時に「バゴファント」も登場。これはあまりタイムマシンとは関係ない・・・ハズ。LHCが作ったマイクロブラックホール
・・・終盤。
人工衛星が落ちてくる・・・だと!? 秋葉原ラジオ会館にか。
時間遡行の基礎となっているタウ物理学を宇宙論に展開して、ビッグバンまでもっていく。このホーガン節がたまりませんな。
・・・読了。
科学を悪に使うものの居ない、実に古き佳き正調ホーガン節でありました。
シュタゲとの大きな違いが、リーディング・シュタイナー持ちが居ないということで、シュタゲの悲壮さ、絶望、感動がいかにあの能力に負ってたかを感じます。あと、キャラ魅力に負う要素も大きいね。
この作品ではあれほどドラマティックではないものの世界全体をいじくり回しつつも結構淡々としている。そういう意味でセカイ系厨二病的なノリと言えなくもないかも。