神々の黄昏 オリンポス・ウォーズ(豊田有恒、集英社文庫)

長門有希の100冊にある「少年エスパー戦隊」を探そうと、折々に古本屋の豊田有恒棚を覘いてはいるのですが、なかなか見つかりません。そんな経緯で古本を買ってみた。
書かれたのは昭和57年(1982年)。まだソ連があった時代ですね。自衛隊員がタイムスリップというか、記紀の神話世界とギリシャ神話世界に紛れ込んでいきます。
序盤。
ううーん。ご都合主義というか、ギリシャ神話だけにデウス・エクス・マキナというか。神話英雄譚の面白いところだけを面白く描いていきます。豊田有恒らしいというか、宗像教授っぽいというか。
・・・読了。
やー、面白かった。幕切れは唐突過ぎる気もしましたが「書きたいところは書いたんで、おしまいっ!」って感じでいっそ潔いですね。

以下ねたばれ。
中盤で、作者の作為と作中人物が戦うメタ展開かと思いましたが、きっちりストーリーで語ってくれました。
各国の神話の共通要素を探すというのは、まぁ良くある話ですが、つくづく博覧強記のなせるわざですなー。旧神と戦い、これを征するというのはネアンデルタールの伝承というのも面白い解釈。