僕たちの終末(機本伸司、ハルキ文庫)

惜しい作家のひとり、機本伸司の新作(文庫化)。
SF的な着眼点やアイデアは面白いんですが、ストーリー運びやキャラ、ラストのカタルシスなどが弱くってどうにも読後感が良くないのです。レビューサイト見ても厳しげだし。
そんなこんなで期待薄で読み始めましたが、序盤はいい感じです。南極氷のニュートリノ観測から予測される太陽フレアと地球滅亡。恒星間宇宙船でバーナード星系への脱出を試みる中小企業オーナー社長と娘と御曹司天文学者。うーん、わくわくしますねー。
・・・中盤。
案外いい感じです。ダメ出しの続く会議のくだりは少々辟易しますが、その間に示される恒星間宇宙船のアイデアが「オーディーン光子帆船スターライト」や「断絶への航海」、「タウゼロ」なんかで見たようなのが多くて楽しいです。
・・・読了。
やっぱり惜しかった・・・。「終章で全部ぶち壊しだけど、中盤までは面白いから読んでみ?」みたいな薦め方は無いよなぁ。口直ししよう。

僕たちの終末 (ハルキ文庫)

僕たちの終末 (ハルキ文庫)