シュレディンガーのチョコパフェ(山本弘、ハヤカワ文庫JA)

山本弘?かな? ひょっとしたらソードワールドリプレイは読んだことあるかもしれません。
短編7本。量子論的重なり合い、言語、スペースオペラ、ファーストコンタクト、タイムトラベル、FTL、脳と自我、加速サイボーグなどなど代表的なSFガジェットは一通り網羅されてますし、読後感もまずまずだし、SF入門にもいいかもしれませんね。

  • シュレディンガーのチョコパフェ ・・・タイトルそのまんまの量子論的重なり合いテーマ。可能性のあることは全て実現する世界。イーガン的・・・かな? おっさんホイホイ的オタトークからいきなり量子論が始まるので面食らいました(^^;)。
  • 奥歯のスイッチを入れろ ・・・タイトルそのまんまのサイボーグ009です。アクション描写はマトリックスを思わせるものがありますが、あれは認識だけが加速されてる感じで、こっちは加速状態をきちんと物理的に考察しています。
  • バイオシップ・ハンター ・・・異質なトカゲ型宇宙人をめぐるスペースオペラ。短編によく詰め込んだもんです。
  • メデューサの呪文 ・・・8行の詩で世界が滅びる話。メタな言語SFはやっぱりいいです。この短編集の中では一番好き。そういえば円城塔の新作も出るみたい。言語情報から展開される「外情報(アウトフォーメーション)」って概念は面白いなぁ。
  • まだ見ぬ冬の悲しみも ・・・量子論多世界解釈に基づくタイムトラベル。アイデア的にはソウヤーっぽいですがなんとも破滅的。
  • 七パーセントのテンムー ・・・脳と自我。もうちょっと風呂敷広げて欲しかったなぁ。
  • 闇からの衝動 ・・・C.L.ムーアオマージュだそうですが、読んだことないし(^^;)。SFというよりはクトゥルーっぽい。

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)

シュレディンガーのチョコパフェ (ハヤカワ文庫JA)