キルン・ピープル 上(デイヴィッド・ブリン、ハヤカワ文庫SF)

1日限りの使い捨てコピーロボットが普及した近未来。キルンは焼成の意で、そのコピーロボットが陶製ゴーレムだというシンボルですね。ちゃんとSF考証してますけどね。
しょっぱなからハードボイルド探偵のアクションシーン(?)と、序盤、とばしてくれます。やっぱりブリンは見せ方が上手いし、酒井昭伸(翻訳)は読みやすいわ。
・・・中盤。
章ごとにゴーレムの性能別に書き分けてるんですが、中身は全部同一人物の「おれ」。これが面白〜い。第6章「グリーンはつらいよ」ってどんな翻訳SFやねん(^^;)。
謎が小出しに積み上がってきて、ミステリ要素も引き込んでくれてます。
・・・読了。
これは集合的無意識とかアイデンティティ問題に持っていくのかな?下巻に続く。
あとこの世界だと、「全俺が泣いた!」ってのが実現できるなぁとか(<ばか)

以下ねたばれ。
第1部最後でまさかの「おれ」死亡(^^;)。主人公のコピーの一体でしたが、この作品設定ならではですね〜。
P457の実は本体同士でしたってくだりとかP490「ハヤカワ・ショボウ」とか魔改造とかB級映画に触れるあたりとか、笑えるところも多くて楽しい読書です。