進化論 異形コレクション(井上雅彦監修、光文社文庫)

ホラー寄りのアンソロジーシリーズ。野尻抱介の書き下ろし短編「楽園の杭」が収録されてるので手を出してみました。他で読んだことあるのは藤崎慎吾くらいで、立ち読みで済ませよーかとも思いましたが、たまにはいろんな作家のを読んでみるのも良いかなと。
全体的には「モロー博士の島」系統のが多い?ような。
・・・読了。うーん、やっぱグロいホラーは苦手だわ。ちと気分悪いっす。

  • 「楽園の杭」(野尻抱介)・・・テーマが「進化論」なのに、タイトルからして軌道塔を描きたかったんだなぁと。ま、ネタも早めに割れますが、それだけにオチではその「杭」のわがままさ加減が際立ちますね。
  • 「神の右手」(藤崎慎吾)・・・深海の描写は「ハイドゥナン」で見たとおりで手堅い感じ。光学異性体といえば普通は戦闘妖精雪風なんでしょうが、私はダーティペアOVA「ノーランディアの謎」が初見でした。藤崎慎吾は目まぐるしい長編も書ける人材ではあるけど、こーゆー一発ネタ短編の方が面白いような気がする。
  • 「おもかげレガシー」(梶尾真治)・・・エマノンシリーズは読んだことない。いい感じ。でも、んー、これって進化論?
  • 「量子感染」(平谷美樹)・・・シンクロニシティ(だよな、これ)って量子力学で説明できるもんなのか?こんな短編の中に分子生物学やエディアカラ生物などを織り込んだ、いいSFでした。
  • 「この島にて」(朝松健)・・・ハードボイルド伝奇時代劇。案外面白かった。そーか、赤松健と朝松健は別人だったのか。
  • 「個体発生は系統発生を繰り返す」(竹本健治)・・・短すぎ。でもこのマサムネのような濃ゆい友人欲しいかも。

進化論  異形コレクション (光文社文庫)

進化論 異形コレクション (光文社文庫)