今西祐行全集第11巻 運河-物語・川村孫兵衛重吉伝-(今西祐行、偕成社)

川村重吉は伊達政宗家臣で、江戸時代初期の河川治水土木のスペシャリスト。宮城県石巻市の偉人ですが一冊でまとまってる本があんまりなくて、児童向けということでしたが、とりあえず近所の図書館で借りてきました。
児童書と言っても、小学校高学年以上かな。なかなか読み応えありましたよ。少々キリシタンに寄り過ぎなきらいはありますが、土木の事跡はしっかりと押さえてある感じ。前半生はフィクションだそうですが、それがいいんです。キリシタンという補助線を引くことで、孫兵衛の動機や技術的背景などがわかりやすくなっています。

大体の年表
・       長州阿武生まれ
・       近江日野蒲生 安土城築城
・1592年(19歳) 文禄の役 伊東ジェローム祐勝
・1595年    淀川堤防 熊谷元直 宇喜多秀家
・1596年    禁教令 ルシア阿福
・1598年    大籠たたら製鉄 千松大八郎・小八郎
・1600年    早股所領・木曳堀(阿武隈川)開削 伊達政宗
・1601年    木流堀(名取川)開削
・1604年    相模土手(二俣川)築堤 白石相模守宗直
・1611年    七北田川改修 慶長三陸地震津波
・1617年〜   四ツ谷用水開削
・1623(49歳)〜1626年 北上川改修 石巻釜の加藤頼定宅に移住 製塩 支倉常長帰国
・1648年(74歳) 死没
・       孫兵衛堀開削(四ツ谷用水〜城下、川村孫兵衛元吉)
・1670年〜13年間 舟入堀、船引堀開削(蒲生〜苦竹、川村伊右衛門重茂=佐々木伊兵衛)