ニコチアナ(川端裕人、角川文庫)

川端裕人は久々。ようやく文庫落ちしました。
ハヤカワ用語で言う「リアル・フィクション」作家だと勝手に私は捉えてます(^^;)。こんどはタバコです。ニコチアナは学名?みたいです。
自分自身もタバコ(文中に従えばシガレット)を吸いますし、昨今の嫌煙風潮には腹は立たないものの肩身の狭い思いをしております。川端氏の場合、双方の立場の見方をしたうえで問題をむき出しにして投げかけてくれる、あえて「正解」を問わない。そういう姿勢がじつに心地よいのです。
あと、地図を付けてください(^^;)。北米もさることながら、中南米の地理なんて判んないっす。
・・・中盤。
無煙シガレットという謎に包まれた技術から入り、アマゾンの呪術の方に来ましたよ。うーん、相変わらずキャラが濃い(密度が高い、という意味で)。

ニコチアナ (角川文庫)

ニコチアナ (角川文庫)

・・・読了。以下ねたばれ。
最後の会議はやや盛り上がりに欠けたように感じましたが、むしろそのあと。喫煙/嫌煙の二元論に無煙という第3の選択を投げかけて、そこで物語は終わります。たしかにこれは魔法としか言いようがない世界です。むー。煙草が美味けりゃなんでもいいや(^^;)。
煙草は中南米原産なのでアリストテレスもシーザーも煙草を吸ってないという歴史的事実は改めて面白い見方だなぁと思いました。三国英雄も戦国武将も煙草吸ってないんだよなぁ。