黎明の星 上(ジェイムズ.P.ホーガン、創元SF文庫)

実に4年ぶりのホーガンの新作。
前作「揺籃の星」は、ほとんど忘れてるけど、いい印象なかったので、今回も期待値ゼロで読み始めます。
木星から飛び出した原始惑星アテナによって人類絶滅の危機に陥る地球。土星衛星群に移住したクロニア人たちが人類存亡のカギを握る、という筋書き。
このクロニアというのがいかにもホーガンの好きそうな科学者による科学者のためのユートピアでなー。どうも胡散臭く感じてしまいます。「断絶への航海」も似たような社会ですが、これはまだ面白かったんだけど。年食った、というだけでもないと思いたい(^^;)。

黎明の星 上 (創元SF文庫 ホ 1-25)

黎明の星 上 (創元SF文庫 ホ 1-25)

上巻読了。以下ねたばれ。
クロニア対旧勢力(プラグマティスト)というやっぱりお定まりのかたちになりました。しかし専門分業された官僚制にもそれなりのメリットはあるので、どうにも主人公側(クロニア寄り地球人)に肩入れしづらいんですよね。そういう意味で、クロニア人内にもクーデタ参加者が居るというのがちょっと目新しい。生き残りの地球人を含めた4ツ巴構造にもってくのかな。
にしても3〜4年で退化しすぎだろ、人類。
SF的には宇宙ビリヤードとでも言うべき太陽系惑星間ダイナミズムは面白いのですけどねー。