火星縦断(ジェフリー・A・ランディス、ハヤカワ文庫SF)

タイトルそのまんまの近未来ハードSF。裏表紙の粗筋を読んで、レイズナーを期待して買ったものです(^^;)。

作者はNASAの人だそうで、火星の風景やメカニック、サバイバルの描写も実にそれっぽいです。登山っぽい描写も多くて、谷甲州の「惑星CB-8越冬隊」あたりを思い出します。
火星探索隊の6名は、ひと癖ふた癖ある面々ですが、短い章立てにして回想シーンを織り込む形式でそれぞれの性格とかも描き込まれていきます。感情移入できるかは微妙な連中ばっかりですが(^^;)。
まだ中盤ってところですが、サバイバル群像劇では定番ともいえる、疑心暗鬼のミステリ仕立てになりそうな展開で、面白くなってきました。
・・・読了。こいつは名作です!
普段SFを読まない人にも是非おすすめしたい。や、読んだあと何が残るかといえばロマンと憧憬しか残らない作品ですが(褒め言葉念の為)。
SF読みの人には、早めに読むことをおすすめしたい。火星探査が進んでしまい、この本の内容が「当時の最新サイエンス」になってしまう前に。やっぱ火星は熱いぜ。

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)

火星縦断 (ハヤカワ文庫SF)